【コラム】熱中症対策!!

テレビなどでも報道されているとおり、今年は例年にない厳しい暑さですので熱中症対策が欠かせません。
 
人は汗をかくことで体温の上昇を防いでいます。しかし、体の中の水分が不足(これを脱水状態と言います)すると、汗がかけなくなってしまい体温が上昇します。この状態がいわゆる”熱中症”となります。
 
熱中症の初期症状は「ボーっとする」「体がだるい」「気持ちが悪い」「手足がしびれる」などです。これらの症状は風邪や疲れなどでもみられる症状と似ていますが、放置しておくと「けいれん」「めまい」「 失神」「意識障害」などの重篤な症状を引き起こすこともあるので初期での対応が重要となります。屋内外に関わらず暑い環境での体調不良は熱中症の可能性がありますので、自分だけでなく家族や周りの人にも注意を払ってあげる心構えも大事です。また、屋内では徐々に温度が上昇していくので暑さを感じにくく熱中症になっても気が付きにくいこともありますので、周りに独り暮らしのお年寄りなどがいらっしゃいましたら、こめまめに連絡をとって体調の変化に気を配ってあげると良いでしょう。一般的にはお年寄りや小さなお子さんが熱中症になりやすいと言われますが、健常な成人にも起こりますので過信しないよう注意してください。また、軽い脱水状態では喉の渇きを感じにくいので、喉が渇く前に こまめに水分を補給することも重要です。
 
熱中症が疑われる場合は、まずは日陰で風通しの良い場所や冷房の効いた涼しい部屋に移動し、安静にして水分を補給してください。大量に汗をかいている場合は、水分だけでなく塩分も不足していますので、水分補給には水やお茶ではなくスポーツドリンクの方が適しています。また、太い血管のある後頭部や腋(わき)、足の付け根などを氷枕や保冷剤で冷やして体温を下げることも重要です。それでも体調不良が改善しない場合は、あまり我慢をせずに医療機関を受診してください。多くの場合は病院で点滴を行うことで体調は改善しますが、状態によっては入院が必要になることもあります。なお、意識がもうろうとしていたり水分も飲めないよ うな状態の時は救急車を呼んでください。
 
今年はまだまだ猛暑が続くようですので、これからもしっかり熱中症対策を行って夏を乗り切りましょう。
 

ふくいんちょうコラム【最終回】慢性胃炎

乾内科クリニック副院長の乾(いぬい)正幸です。

皆さま、本年もよろしくお願いいたします。突然ではございますが“ふくいんちょうコラム”は今回で最終回となります。最終回コラムのテーマは、一見軽い病気にみられがちですが、実はとても注意しなければいけない“慢性胃炎”です。

慢性胃炎とはどのような病気を連想しますか?一般的には、「食べ過ぎや飲み過ぎで胃がもたれる」、「ストレスで胃がキリキリする」といったことが慢性胃炎と考えられているかと思います。このような慢性胃炎は生活習慣を見直すことで改善が期待できますが、気を付けなければならないのは「ピロリ菌による慢性胃炎」です。

この「ピロリ菌による慢性胃炎」にはほとんど自覚症状はありません。しかし、この「ピロリ菌による慢性胃炎」がある人は胃がん予備軍ですので放置してはいけません。その原因は幼少期(5歳未満)にピロリ菌が胃に棲み付いて(感染して)しまうことです。この時点でも症状は出ませんので、大人になってピロリ菌の検査や内視鏡検査(胃カメラ)をして初めてピロリ菌に感染していることに気付くことになります。

ピロリ菌に感染すると胃の粘膜に炎症が起きます。その後もピロリ菌がいる限りずっと炎症が続き(これを慢性炎症といいます)、そのうち胃の粘膜に不可逆性の変化(萎縮や腸上皮化生)を起こします。この状態にまでなると胃がんが発生する確率が高くなってしまいます。胃がんの99%はピロリ菌が関与していると考えられていますので、如何に早い段階でピロリ菌がいるかどうかを知ることが重要になります。ピロリ菌がいることがわかれば、飲み薬で除菌することができ、ピロリ菌を除菌することにより胃がんになりにくくなる(約1/3になる)と言われています。

ただし、1点だけ注意したいのは、「ピロリ菌を除菌すると胃の粘膜の炎症は消失しますが、一度起こしてしまった胃の粘膜の萎縮や腸上皮化生といった変化(これも慢性胃炎と言います)は元には戻らない」ということです。つまり、除菌をしても慢性胃炎が残ってしまうのです。そのためピロリ菌を除菌した後にも胃がんができてしまうことがあるのです。ですが“ピロリ菌が棲んでいる状態の慢性胃炎”と“ピロリ菌を除菌した後の慢性胃炎”では胃がんのできやすさが違いますので、ピロリ菌に感染していることがわかったら除菌治療を行うことをお勧めします。また、ピロリ菌を除菌した後も定期的に(できれば1年に1回くらい)内視鏡検査を行って、胃の状態をしっかりチェックしていきましょう!

梅これで“ふくいんちょうコラム”は終了となります。今までご愛読いただきありがとうございました。今後は違うかたちで情報を発信していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。またどこかでお会いしましょう!


ふくいんちょうコラム【第5回】急性アルコール中毒

乾内科クリニック副院長の乾(いぬい)正幸です。

皆さん、今年も1年体調を崩さずに過ごせましたか?早いもので今年もあと1カ月となりました。今年最後のコラムのテーマは、「急性アルコール中毒」です。

これからの時期は、忘年会やクリスマス、カウントダウンに新年会とお酒を飲むイベントが次々とやってきます。ですが、お酒は飲み方をひとつ間違うと楽しい時間が一転してしまう事態にもなりかねませんので、飲み方には注意が必要です。

まず、急性アルコール中毒とは、「アルコール飲料の摂取により生体が精神的、身体的影響を受け、主として一過性に意識障害を生ずるもの」とされています。主な原因は短時間での多量のアルコール摂取です。血中アルコール濃度の急激な上昇により、アルコールによる中毒症状が出現すると言われています。もちろん、急性アルコール中毒を起こすアルコールの量には個人差があり、その時の体調などにもよりますので、普段お酒が強いと自認している人でも過信は禁物です。

急性アルコール中毒の主な症状は、「歩行困難(千鳥足)」「頻呼吸」「嘔気」「嘔吐」などで、重症化すると「血圧低下」「意識混濁」「尿失禁」さらには「呼吸麻痺」などを起こして死に至るケースもあります。お酒を飲んで具合が悪くなった人がいたら、まずは急性アルコール中毒を疑ってください。そして、もし呼びかけにはっきり応じるようであれば軽症であると思われます。その場合は体温を保つように毛布などをかけてあげて様子をみてください。呼びかけにはっきり応じられなかったり、だんだん反応が悪くなってきたりする場合は危険な状態だと考えられます。その場合は治療が必要になりますので、すぐに救急車を呼んでください。なお、意識状態が悪い時に水分を飲ませると、誤嚥や嘔吐の原因になることもありますので無理には飲ませないでください。

皆さんの中には『急性アルコール中毒は若い人がなる』というイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、「年齢によらず誰にでも起こり得る」ものです。ぜひ、お酒は「正しく」そして「楽しく」飲むようにしましょう。

次回のコラムは来年の2月に掲載予定です。 

%e5%a4%a7%e9%98%aa


ふくいんちょうコラム【第4回】食中毒

乾内科クリニック副院長の乾 (いぬい) 正幸です。

第4回目のコラムのテーマは、意外に秋に多い“食中毒”です。

食中毒というと、高温多湿な梅雨から夏にかけて多いというイメージがありますが、一年の中で9月~10月に食中毒が最も多いというデータがあります。その原因として、季節の変わり目に体調を崩し免疫力が低下していたりすることや、行楽シーズンですので野外での飲食が増えたりすることが挙げられます。

%e3%82%a4%e3%83%81%e3%83%a7%e3%82%a6食中毒の主な症状は嘔吐・下痢・腹痛などです。残念ながらほとんどの食中毒に対しては特別な治療法がありません。ですので、食中毒になった場合は、症状を抑えるための対症療法や脱水を補うための点滴などを行うことになります。したがって食中毒に対しては予防が一番大事になります。食中毒の原因は細菌やウイルス、またはそれらが産生する毒素などです。食中毒にならないためには、基本的なことではありますが、調理や食事の前にきちんと手洗いをすることが一番効果的です。また、高温多湿な状態は菌やウイルスの増殖が活発になりますので、夏に引き続きまだこの時期も食材の保存には気を遣う必要があります。加熱処理も食中毒を防ぐのに効果的ですので、特に肉料理はしっかり火を通すようにしてください。

一年のなかで最も過ごしやすい秋はとても短いですので、ぜひ体調管理をしっかり行って秋を満喫してください!


ふくいんちょうコラム【第3回】熱中症

乾内科クリニック副院長の乾(いぬい)正幸です。

今回のテーマは、これからの時期に気を付けなければいけない“熱中症”です。

人は汗をかくことで体温の上昇を防いでいます。しかし、体の中の水分が不足(脱水状態)すると、汗がかけなくなってしまい体温が上昇します。この状態が“熱中症”です。したがって、屋内外に関係なく気温や湿度の高い日は熱中症になりやすいのです。

熱中症の初期症状には「ボーっとする」「体がだるい」「気持ちが悪い」「手足がしびれる」などがあります。これらの症状は風邪や疲れでみられる症状と似ていますが、放っておくと「けいれん」「めまい」「失神」「意識障害」などの重篤な症状を引き起こすこともありますので初期対応が重要になります。屋内外に関わらず暑い環境での体調不良は全て熱中症の可能性がありますので、自分だけでなく周りの人にも注意を払ってあげる心構えが大事です。高齢者や小さなお子さんが熱中症になりやすいと言われていますが、健常な成人も熱中症になりますので過信しないよう注意してください。また、軽い脱水状態ではのどの渇きを感じにくいので、特に夏の暑い時期はのどが渇く前にこまめに水分を補給することも大事になります

屋外での活動中であれば熱中症による体調不良に気がつきやすいのですが、室内では徐々に温度が上昇していくので暑さを感じにくいため、熱中症になっても気がつかないことがあります。もしあなたの周りに独り暮らしのお年寄りなどいらっしゃいましたら、こまめに連絡をとり体調の変化に気を配ってあげると良いでしょう。

木陰

そして熱中症が疑われる場合は、まず日陰で風通しの良い場所や冷房の効いた涼しい場所に移動し、安静にして水分を補給してください。大量に汗をかいた後は水分だけでなく塩分も不足していますので、水分補給には普通の水やお茶よりも塩分が入っているスポーツドリンクなどが適しています。また、太い血管のある後頭部や腋(わき)、足の付け根などを氷枕や保冷剤で冷やして体温を下げることも重要です。それでも体調不良が改善しない場合はあまり我慢をせずに医療機関を受診してください。多くの場合は点滴を行うことで体調は改善しますが、状態によっては入院が必要になることもあります。意識がもうろうとしていたり水分も飲めなかったりするような状態の時は救急車を呼んでください。

これから夏本番になってきます。しっかりと熱中症予防を行って、この夏を乗り切りましょう。

次回のコラムは10月の予定です。


ふくいんちょうコラム【第2回】血便

乾内科クリニック副院長の乾(いぬい)正幸です。

第2回目のコラムのテーマは“血便”です。

血便には大きく分けて「目で見てわかる肉眼的血便」と「見た目ではわからない血便」があり、後者を調べる検査には大腸がん検診で行われる便潜血検査があります。

肉眼的血便で最も頻度が多いのは老若男女を問わず痔からの出血です。肛門痛などの自覚症状がない場合でも、内視鏡検査をしてみると軽度の内痔核を認めることは多々あり、そのような方が便秘や下痢などで肛門に刺激が加わることにより出血することがあります。このような痔からの出血の場合は、だいたい数日から1週間以内に自然に血便は消失します。ひとくちに血便と言っても、血便の量、腹痛・発熱の有無、年齢などで鑑別診断が異なってきますので、自己判断はせずに専門医に相談し適切な検査や治療を受けるようにしてください。もちろん、血便で一番怖い病気は大腸がんですので、「自分はじぬし(痔主)だから血便があっても大丈夫!」と過信してはいけません。

見た目に血便がなくても便潜血検査に引っかかった方は大腸内視鏡検査を受けてください。なぜなら、進行した大腸がんがあっても腹痛などの自覚症状を伴わないことが多いからです。また、大腸がんがあっても必ずしも便潜血検査に引っかかるわけではないですので、一度でも便潜血検査に引っかかった方は、再び便潜血検査を行うのではなく、必ず大腸内視鏡検査を受けるようにしてください。近年、食生活の欧米化に伴い日本人の大腸がん、特に女性の大腸がんが増えていますので、40歳を過ぎたら便潜血検査の結果によらず一度は大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。

DSC_0373いかがでしたでしょうか。乾内科クリニックでは予約制で大腸内視鏡検査を行っております。血便がある方だけでなく、血便がなくても大腸の病気が心配な方は、外来で適切な検査や治療についてご相談にのらせて頂きますので、どうぞお気楽にご来院ください。

次回のコラムは8月に掲載する予定です。


ふくいんちょうコラム【第1回】逆流性食道炎

乾内科クリニック副院長の乾(いぬい)正幸です。

これから隔月で気になる身近な病気をテーマにコラムを書いていきたいと思います。このコラムを通じていろいろな病気に対するみなさまの疑問や不安を少しでも解消してもらえればと思います。

さて、記念すべき第1回のコラムのテーマは“逆流性食道炎”です。

みなさんは「最近、食後に酸っぱいものがこみ上げてくることがあるなぁ」とか「なんだか食べ物がのどにつかえるような感じがするなぁ」とかいうことはありませんか?

このような症状がある人は「胃酸が胃から食道へ逆流している」可能性が高いと考えられます。ご存じのように胃酸は食べ物を消化するために胃で分泌されますが、胃酸の刺激は食道には強すぎてしまうため胃酸が食道に逆流すると胸焼けなどの症状が出現すると言われています。そして、内視鏡検査で胃酸の刺激による食道粘膜の炎症(赤み)がみられた場合に“逆流性食道炎”と診断されます。逆流を増悪させる原因には(1)食後など胃の中に胃酸が多い状態で横になる、(2)ベルトや医療用コルセットなどで下腹部を締め付ける、(3)前かがみの状態を長く続けることなどがあります。思い当たりがある方はそれを見直すだけでも症状が良くなることもあります。また、食道と胃の境がゆるくなる食道裂孔(しょくどうれっこう)ヘルニアがある方は胃酸が逆流しやすいと考えられています。さらに、最近では食道が敏感になりすぎて少量の胃酸逆流でも症状を感じてしまう方も増えてきています。

逆流性食道炎は基本的には悪い病気ではありませんので、それほど心配する必要はありません。ですが、症状が強い場合はストレスになりますし、不眠の原因になることもあります。胃酸逆流症状のある方の多くは、胃酸の分泌を抑える薬を飲むことで症状が軽快します。ただし“食道がん”でも同じような症状が出ることがありますので、一度は内視鏡検査(胃カメラ)を受けることをお勧めします。特に喫煙者やお酒を飲む方は食道がんになりやすいので要注意です。

高崎城跡と桜

乾内科クリニックでは、上記のような症状の方には逆流性食道炎のチェックシートに記入して頂き、その結果と症状によって適切な検査や治療についてご相談させて頂いています。何か気になることがございましたら、どうぞお気楽にご来院ください。

次回のコラムは6月上旬に掲載する予定です。